異変+気付き=



少しの変化も原因があるはず・・・・・・・

体温が上がったり
心拍数が異様に早くなったり
鼓動が大きく聞こえたり
自分以外の人物を話している姿を見てイライラしたり

今までにないコトに興味が沸き
自分自身を研究し始めてよう

「だからね、真田君みたいに全ての行動をワンタッチで行う
 選手はシュートコースが読みにくいの。
 もし、このコースで蹴ってくるだろうて予想し動いても
 ワンタッチで読みとは違う所に蹴られちゃうから
 DFとシュートコースを小さくしてハズさせるか
 ギリギリまで待って勝負するか
 まぁ、他にもあるけど試合に応じて考え動くしか
 対応はないんだけどねぇ・・・・・・」

地面にノートを広げ、向かい合う様に座り
2人の頭がぶつかりそうな位の至近距離での
会話に周りの人々は異様なモノを見る様に
距離を置きながら観察をしていていると
少女が話していた人物から視線を外ずし
勢い良く立ち上がり走り出してしまった。

少女と話していた少年も周りで見物していた少年達も
いきなりの事に驚きただ走っている少女の背中を見送るしか出来ず
呆然と見ていると少女は自分より背の高い少年の背中を押し
先ほど自分か座っていた所まで連れていると
まんべんの笑みで

「遠慮なく座ってください。渋沢キャプテン!」

無邪気に座る事を進める少女の言葉に従おうと
座りかけると、初めからその場に座っていた少年が
不機嫌になり自分の事を睨んでいる様に感じ

自分が何か悪い事をしたのか・・・・・

そう思いながら今までの出来事を思い出すが
自分では何も悪い事をした記憶もなく
クビをかしげながら、苦笑して腰を下ろすと
少女は地面に置いてあったノートを手に持ち上げながら
話を始めだし、睨まれ居心地の悪さを感じていた
渋沢にとっては天の救いとも取れるタイミングでの
少女の声に心の奥で溜息をこぼした。

「さっき、不っちゃんとGKについて話を
 していたんですけども、データーだけではどうしても
 解らない事があってそれで渋沢キャプテンに来て貰ったんです」

経験豊富な渋沢キャプテンなら何でも答えてくれるだろうし!

自分達の言葉に絶対答えてくれるという期待を込められた
言葉に

「なんでも解る訳ではないが・・・・・・」

戸惑いながら言葉に

「大丈夫です!!」

握り拳を作り、力強く言う少女の言葉に押され
話を聞くと色々な事を質問され、答えるが
その答えから再び疑問が生まれ
3人で色々な答えを出すものの
最終的には経験の多い渋沢が答えを出し
質問は終っていくのだった。

いくつかの疑問を解いていく内に
晴天だったといっても太陽が傾きかけ
薄暗くなり始めた頃に空気の冷たさを感じ
少女がくしゃみをすると
自分達が夢中になって討論会をしていた事に気付き
正座から立ち上がり
周りを見てみるとチームメイトは殆どと言っていいほど帰り
残っていたのは風祭・水野・藤代・間宮・上原の5人だった。

「うわぁ〜皆、帰っちゃったんだぁ・・・・」

ズボンに付いた砂を払いながら
呟くと待っていた人物から声がかかった。

「キャプテン!早くしないと置いて帰っちゃいますよ!!」

グランド中に響きそうなほど大きな声で呼ばれた本人は
苦笑しながら自分を読んでいる藤代の元に歩き出すと
ズボンの砂を払っていた少女も不破も同時に歩き出し
自分達を持っていてくれている人達へと向かい
渋沢は藤代と間宮
不破は風祭と水野
少女は上原と
並び、それぞれ家がある方向に向って帰っていった。

そんな中、上原と楽しそうに笑いながら帰っていく姿を
見ながらイライラした気持ちと急に寂しくなった気持ちが
混ざり合いなんとも表現し難い感情に首をかしげていると
自分の名前を呼ばれ仲間の元へ歩きそのまま家へと
帰っていった。

家に帰りいつもの時間に何時も通りの事をする
のだがどうにも少女の事が思い出され
集中する様に努力してみるものの
すればするほど少女の表情や声が思い出され
意味も無く会いたくなったり、声を聞きたくなったり・・・・
突然自分でも理解が出来ない行動に
疑問を持ちながら、自分自身の事を観察する事にした。

学校に行き授業を受けるが変化はなし。
何時もの様に教科書を見ていれば理解が出来る。

クラブの時は以上あり
どうも、サッカーをしていると少女のことが
思い出される様だ。

確かに少女とは選抜の練習でしか会っていない。

やはり原因は少女か・・・・・・・・

原因は解ったがどうして感情がセーブ出来ないのか
が解らなかった。

・・・・・・・・調べて・・・みるか・・・・・・・・・・・・・・・

家の書庫、学校の図書館、都立の図書館

うむ、我が家の書庫の方が参考書類が多いな・・・・

何時でも何処でもどんな時でも資料を手放さず
にいると1つの答えに行き着いた。

症状が良く似ているな・・・コレか

1冊の文庫小説に答えが載っていた。

なるほど。
この本通りにすれば良いのか・・・・

少女に会うのは次の選抜練習日
その時にヤレばいい・・・・・

何時もの通りに進む時間が長く感じられ
このまま会えないのではないかという考えが思い浮かぶ。

頭では時間も動いている、そんな事はありえないのは解っていたが
感情では不可解な事しか思い浮かばなかった。

そんな中、練習日の朝何時もの様に起き
何時ものように玄関でクツを履いていると
母親である乙女が見送りに出てきた。

「大地。頑張ってらっしゃい」

言葉と共に何かを悟った笑顔でエールを送られ
家を後にすると何時ものメンバーで練習場所に向う。

実行する事はただ1つ
彼女を発見しだい実行に移さなければ
アノ言葉を言えばイイだけ・・・・・・・・

緊張と興奮で手には汗が滲み
心拍数が以上な程多い

電車を乗り継ぎ、練習場に入ると
ほぼ全員と言っていい人数が揃っていたが
不破の視線は少女を探し始めた。

いた!!

視界に少女が映ると早足に向かい
誰かと話をしていた少女の手首を握り勢い良く自分の方に向かせた。

あまりにも突然な事でナニがあったのかいまいち把握出来ず
にいる少女は驚きの表情ながらも挨拶をする。

「ビックリしたぁ〜おはよう、不っちゃん。何かあったの?」

「好きだ」

「は?」

いきなりの言葉に聞き間違えたのか
間の抜けた返事が返ってきた為もう一度
ゆっくりと1つ1つの言葉に気持ちを込めて

「俺はの事が好きだ」

選抜メンバー全員の前での告白に
全員があまりの突然な出来事に驚き固まっていると
告白された事が分かった少女の顔がすぐさま真っ赤になり
俯いてしまった。


その頃、不破家では

「あなた、今日大地に彼女が出来るわよ」

「なんと!?それはめでたい!!乙女!今日は赤飯だな!!」

「これで不破家も安泰じゃ!」


                                                                続く